こんにちは!あおぺこです。
本日は、
『さつまいもの病気とは?生育しない・芋が腐る・葉が萎れる原因と対策を解説』
『育て方のコツ!殺虫剤も紹介』
についてお伝えします!!
さつまいもは料理にもお菓子にも使用できる万能食材です。
旬の時期にはたくさんもらったり、スーパーで安く手に入る食材ですね。
たくさん手に入ったものの、長期保存しておくと腐ってしまったり傷んでしまったり。。
ただ、それが病気なのか熟しているのか判断できない場合もありますよね。
そこで今回は、さつまいもの病気の状態について判断できるポイントをお伝えします。
では、早速見ていきましょう!!
- さつまいもの病気の状態を知りたい人
- さつまいもが傷んでいる原因を知りたい人
- さつまいもの病気の対策をしたい人
目次
さつまいも 病気の状態とは?
次のような場合、さつまいもは病気になっている可能性が高いです。
- さつまいもの葉がしおれている
- いもが腐っている
- 生育しにくい
さつまいもは「葉・いも」どちらにも病気が発生します。
今回は、それぞれの部位の病気について解説していきます。
さつまいも 茎葉に生じる病気
さつまいもの茎葉に
- 斑点
- カビ
が出ている場合、病気に感染している可能性があります。
それはどんな形、色、特徴なのか確認しましょう。
斑紋モザイク病(はんもんもざいくびょう)
サツマイモ(甘藷)斑紋モザイク病 発病葉
HP埼玉の農作物病害虫写真集
どんな症状なの?
写真のように葉の葉脈の間に黄色い斑点が生じ、周囲が紫色になります。
原因は?
「モモアカアブラムシ」によって伝搬される「サツマイモ斑紋モザイクウイルス」の強毒系統が原因です。
*いも(塊根)に発生する病気の、帯状粗皮病(サツマイモ斑紋モザイクウイルス強毒系統)と同様です
対策方法は?
- 苗はウイルスフリー苗を使用しましょう。
- 増殖時には感染の源となるアブラムシ対策を行いましょう。
同じはさみやナイフの使用で伝染することもあるため、採苗時には次亜塩素酸ナトリウム(ケミクロンG)などを用いてこまめに消毒しましょう。
次亜塩素酸ナトリウム
茎葉のしおれ
さつまいもの茎葉にしおれがみられる場合は病気の可能性があります。
立枯病
どんな症状なの?
- つるの生育が抑制されます。
- 葉が黄色~紫紅色になってしおれます。
- 症状が進むと枯死してしまいます。
- 根は褐色に腐敗し抜け落ち、いろ(塊根)の表面にも円形の黒い病斑ができます。
対策方法は?
被害部はなるべく早く切除し、枯れ落ちた葉は拾い集めて焼却処分しましょう。
農薬を使う場合は「ダコニール1000」などが有効です。
広範囲の病気に防除効果をあらわす総合殺菌剤です。
「ダコニール1000」
農薬は「使用できる作物」が決められています。
よって、農薬を購入・使用する前に適用作物を確認し、作物にあった薬剤を選びましょう。
つる割病
どんな症状なの?
- 葉が下葉から黄化します。
- 症状が進むと株がしおれて枯死します。
- 茎に縦に亀裂が入り、繊維質が目立ちます。
- 茎を切断すると維管束の部分が褐変しています。
対策方法は?
感染したさつまいもから作った苗にもつる割病が伝染します。
育苗した苗に症状がみられなくても、圃場に定植してから発病することもあります。
よって、病原菌に感染していない種イモを使用しましょう。
農薬を使用する場合は?
「GFベンレート水和剤」などがあります。
予防効果と治療効果を兼ね備えており、広範囲のかび性の病気に効果があります。
GFベンレート水和剤
特にさつまいも品種の「ベニコマチ」はつる割病に極端に弱いため、栽培する際は注意してください。
つる割病が発症しやすい野菜は?
さつまいも・きゅうり・ゴーヤ・スイカなど
さつまいも いも(塊根)に病斑がある
さつまいものいもに「斑点」が出ている場合、病気にかかっている可能性が高いです。
「斑点」とはどんな症状なのでしょうか?
詳しくみていきましょう!
黒斑病
収穫後や土壌中のいも(塊根)に見られます。
症状は?
- 緑を帯びた黒褐色の病斑が表面に現れます。
- 病気が進むと2~3cmほどの濃い黒色になります。
- 表面がくぼんだ円形の病斑となります。
- 病斑内部に毛のようなカビを生じることもあります。
強い毒性のあるファイトアレキシン(抗菌性物質)を生成している場合があるので注意してください。
対策方法は?
病徴のない健全な塊根を種いもとして選抜し、種いもは温湯消毒(47~48℃、40分間)あるいは農薬で消毒して用いること。
苗の消毒を行う場合
苗の基部約10㎝を47~48℃の温湯に15分浸漬するか、農薬の希釈液に決められた時間浸漬する。
農薬を使用する場合
薬剤(農薬):
トップジンM、ベンレート農薬
使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
帯状粗皮(おびじょうそひ)病
(サツマイモ斑紋モザイクウイルス強毒系統)
症状は?
収穫時のいも(塊根)の表面にざらざらとしたしま模様のひび割れが生じます。
その部分が帯状に変色します。
原因は?
「モモアカアブラムシ」によって伝搬される「サツマイモ斑紋モザイクウイルス」が原因です。
対策方法は?
苗はウイルスフリー苗を使用します。
ウイルスフリー苗の増殖時には、感染源となるアブラムシ対策を行なってください。
はさみやナイフの使い回しで伝染することもあるため、採苗時には次亜塩素酸ナトリウム(ケミクロンG)などを用いてこまめに消毒をするよう心がけましょう。
次亜塩素酸ナトリウム
紫紋羽(むらさきもんぱ)病
症状は?
- いも(塊根)の表面に紫褐色の糸のような菌糸の束が、網目のようにからみつきます。
- 菌糸束が密になってフェルト状になり、イモ(塊根)の内部まで軟化、腐敗することもあります。
原因は?
病原菌に感染した植物、土壌が伝染源となります。
対策は?
被害にあったいも(塊根)や茎葉は取り除いてください。
どんな場所で発生しやすいの?
pHが低い(pH6.0近辺)、開墾地など
→未分解の有機物が多く残る圃場で発生しやすいです。
どうやって対策するの?
石灰などを使用して、未分解の有機物の分解を促進します。
被害が発生した場合は?
土壌消毒し、イネ科作物などの栽培が効果的です。
黒あざ病
症状は?
- いも(塊根)の表面に暗褐色の不整形の病斑が生じます。
- あざ状の病斑で全面を覆います。
- 病斑はいも(塊根)の表皮にだけ現れます。
よって、内部に進展せず腐敗もしません。
原因は?
- 苗や種イモから伝染します。
- 圃場の排水性が悪いと発生します。
- 病気の兆候がない苗や種イモを選別しましょう。
- 水はけの良い圃場づくりを心がけましょう。
- 土壌消毒を行いましょう。
さつまいものいも(塊根)に腐り
さつまいものいも(塊根)が腐った場合、病原菌に感染している可能性があります。
どんな症状なのでしょうか?
詳しくみていきましょう!
軟腐病
症状は?
- いも(塊根)は暗褐色になります。
- 状態は水に浸したようになります。
→のちに軟化・腐敗します。
特に、、湿度が高いと以下のようになります。
いも(塊根)の表面に白色のくもの巣のような菌糸が生えます。
発病適温は?
30℃前後
→主に貯蔵中に発生します。
臭いはアルコール発酵した独特の芳香がします。
原因は?
収穫時や貯蔵中、出荷時にできた傷口から病原菌が侵入して発病します。
対策方法は?
収穫後は速やかにキュアリングを行って感染を防ぎましょう。
キュアリング処理とは?
土付きのサツマイモを、約35℃・湿度100%の室内に約1週間置きます。
その後、一気に12℃まで温度を下げ、湿度80%で保存する貯蔵法のことです。
これをキュアリング貯蔵法・キュアリング処理といいます。
キュアリング処理をする効果
味が深くなり甘みが増します。
基腐(もとぐされ)病
症状は?
茎に近いいも(塊根)の部分から黒色~暗褐色に変色し腐敗します。
原因は?
病原菌は土壌中の病原菌に感染した植物です。
対策方法は?
- 感染した植物は圃場外で処分してください。
- 種イモは消毒するなど病原菌に感染していない健全なイモを使用してください。
- 土壌中の病原菌密度を減らすため、輪作や土壌消毒も良いでしょう。
早期の発見で対策をしよう!
さつまいもは土壌病害が多く、連作障害を起こしやすい作物です。
そのため、栽培後は土壌消毒を行い、防除対策をとりましょう。
病気は種イモや苗を通じて伝染する病気も多くあります。
- 健全な種イモを使用し、採苗の際には病原菌に感染していないか注意しましょう。
- 病原菌の蔓延を防ぐためにも、連作を避けて水はけの良い土づくりを行いましょう。
さつまいもを使用したレシピはこちら!!